イノシシ 4 世間知らずな14歳の少年だった僕が、友人に聴かせてもらった「朝焼け」を気に入り、その曲が入ったアルバムということで1982年に手にした初めてのカシオペアのアルバムがこの「EYES OF THE MIND」だった。「何か違うなあ…」と思ったのもそのはずで、「MINT JAMS」を買うのが正解だったのだ。彼らをアメリカに紹介した西海岸のドラマー?ハービーメイスンがプロデュースしているこのアルバムは良くも悪くも錯誤したジャパニーズ感を盛り込まれた作品で、「EYES OF THE MIND」や「TAKE ME」が琴のような音で演奏されていて正直いただけない。「SPACE ROAD」も彼ら独自のアレンジによる「AIR SKIP」版の方が遥かに良いし「朝焼け」のハンドクラップの挿入は当時でさえ「格好悪い」「蛇足」と思った。しかし反面、このアルバムのために書き下ろされた「LAKAI」や「LA COSTA」「PLACE IN THE SUN」が非常によろしい。特に「LAKAI」は彼らの作品の中でも10本の指に入るぐらい好き(まあ作曲はハービーメイソンなのだが…)。信じられないのはこれを演奏しているカシオペアのメンバーは最年長の向かい谷さん始め、全員25歳から23歳だということ。その若さでこれほどこれほど大人の音楽を奏でられるミュージシャンがいた80年代は改めてすごい時代だったと思う。