ゆーけー 5 無理だとわかっても願ってしまう叶わぬ夢。「わいやれすでおーぷんえあーのへっどほんをください」ワイヤレスの開放型ヘッドホンを、どれほど望んでいたか。大きな期待を背負いながらも、底知れない渇望を満たしてくれたのが、これ。「素晴らしい」の一言に尽きます。感涙の嵐。手持ちのヘッドホンはSennheiserのHD560S、AKGのK371-Y3、AnkerのSoundcore Life Q30です。まず付けてみて「ha?」と声が出る。軽い。軽すぎる。バッテリー入れ忘れましたね?と思うほど軽い。企業努力が垣間見えます。見た目はカジュアルに寄せていますね。ヘッド部分はファブリックで、イヤーカップはマダラ模様。品があるシーンには相容れませんが、日常使いにはもってこいでしょう。しかし、なんとまぁ。細部へのこだわりが、ささやかな高級感を演出しているのです。憎い。イヤーカップ背面の金属部分は光沢のあるガンメタリック。調節する金属部分は、シルバー、そして差し色にブロンズを採用。上のロゴと色を合わせていることから、狙ってますよね。カジュアルなのにチープじゃない。これは結構難しいことをやってのけたのでは?と驚きました。エージングしてないので、本気はまだわかりませんが、音質もいい。心地良すぎて、なぜか「はぁ」って落ち込みました。なんで?ともかく、気づけば手持ちのヘッドホン序列第一位に何食わぬ顔で鎮座してました。開放型の強みを生かした音の広がりが再現されています。ゼンハイザーのHD560Sよりも広く感じます。この時点で購入して悔いなし。低音も弱すぎず強すぎず。足りないとは思いません。上品な低音です。これ以上強いと疲れてしまうでしょう。長時間使用を視野に入れたのがわかります。解像度も高いです。シンバルの微かな震えも聞き取れる。曖昧さがない、すごいなぁ。密閉型と比べると、音漏れは当然あります。仕方ない、というか、当たりまえ。また、小さい音は周囲の音に紛れてしまう感覚があります。小さなノイズさえも拾いたいんじゃ!という方はモニターヘッドホンを買ってください。ここら辺は開放型の弱みでしょう。彼(ATH-HL7BT)に罪はありません。音楽を楽しみたい人は、これを買って間違いないです。軽い、聴き疲れしない、音質もいい、長時間使える、周囲の音も聞こえる。これ以上、何を望めばいいのか…。現時点のこの価格帯のヘッドホンの中では、抜きん出ているように思います。強いて問題点を挙げるなら。側圧はソフトですが、寝っ転がるとヘッド部分がずれます。激しい運動してもずれるかも。でも日常動作では問題ありません。むしろ頭痛がなくて良いですが、人によっては別れそう。総じて、最強です。この価格帯で戦うなら、表彰台は確実。下手したら下克上して、上ランクのヘッドホンにも勝てます。今頃、開発者さんは泣いてるんじゃないですか?それくらいコンセプトや想いを感じた、至極の一品でした。オーテクさん。ありがとう。こりゃ名機だ。