一般的なフォノイコライザーアンプは、負帰還(NFB:Negative Feedback)技術を使用しています。これは、入力信号と出力信号を比較し、差(補正信号)を反転させ入力する技術で、増幅素子にオペアンプと呼ばれるICを使用し、イコライザー回路がフィードバックループの中に含まれるのが一般的です。こうしたNF型イコライザー回路は、フィードバック量でゲイン(増幅率)が決定してしまうため、MCカートリッジに対応させるため、前段にMCヘッドアンプを設け、2段構成になっているものがほとんどです。
これに対し無帰還アンプは入力信号そのものを増幅する点が大きく異なります。無帰還アンプでは負帰還アンプのような補正動作はありませんので、構成する部品と動作点の設定に高い精度が要求されます。
また、イコライザー回路も当然CR型になるため、素子の音質が直接影響するため、高価な高音質部品を多用します。このように、コストがかかりますが、音質面では音楽の躍動感、ダイナミクス、陰影感の表現に優れるため、音楽ファンやオーディオファイルに強い支持を得ている増幅形式です。
本機は、後者の無帰還増幅を選択しているので、使用する部品の音質がダイレクトに影響します。そのためこのクラスでは唯一ともいえる、全てディスクリート部品による回路構成を採用しています。負帰還アンプと異なりNFBの量でゲインを決めるのではなく、増幅の動作点を変えることでゲインを決めていますので、MCもMMも同一の回路で増幅します。当然、フォノアンプにおいて音質に影響度の高いRIAAインピーダンス素子や信号系の主要部分には定格容量にゆとりを持たせた金属被膜抵抗器や高品質フィルムコンデンサーなど、定評ある高音質部品を厳選して使用しています。負帰還アンプとは違う「豊かな音の表情、躍動感と高S/N、卓越した空間表現の両立」が、上級機の負帰還アンプをも凌ぐレベルで達成されていることを、ご自分の耳でお確かめください。
回路基板のパターンや部品配置を、左右同一にするデュアルモノラルパターンレイアウトを採用、高度なレベルで左右チャンネルの均一化を実現しています。さらには、余分なアクセサリー機能を排し、微弱なフォノ信号をアンプに直接入力するシンプルな構成にしています。
一見オーバースペックとも思われる程の大容量Rコアトランスと、大幅に定格を高めたファーストリカバリーダイオード、低雑音ツェナーダイオードなどを使用した極めてローノイズの左右独立電源回路を搭載。
共通電源インピーダンスのない電源供給を行うことで、チャンネルセパレーション90dB以上(20Hz〜20kHz)を実現しています。
微弱な信号を増幅するフォノアンプでは、信号の純度を守るために、他からの妨害を受けない強固なシャーシ構造の実現とシンプルな信号伝達が求められます。本機のシャーシベース、トップカバー、電源部と信号部を分離するセパレーターは、それぞれ1.6mm厚の鋼板に銅メッキを施した上に防振塗装を施した特殊鋼板が使用されています。
本機は、比較的小型のシャーシサイズと8mm厚のアルミ材フロントパネルの相乗効果で、高い剛性の確保と磁気ひずみの軽減を実現しています。
形式 | MM/MC 無帰還型イコライザーアンプ | |
入力様式 | MM | MC |
入力感度 | 2.5mV | 0.12mV |
適合カートリッジ出力インピーダンス | 47kΩ以下 | 470Ω |
利得 | 38dB | 63dB |
入力換算S/N比 | -124dBV | -140dBV |
最大許容入力 | 90mV | 4mV |
定格出力電圧 | 200mV(1kHz) | |
リアカーブ偏差 | ±0.3dB(20〜20kHz) | |
出力インピーダンス | 250Ω | |
チャンネルセパレーション | 90dB 以上(20〜20kHz:MM/MC 共) | |
消費電力 | 2W(100VAC 50〜60Hz) | |
外形寸法 | 220(幅)×57(高さ)×228(奥行)(端子部含む) | |
質量 | 2.6kg | |
入出力端子 | 削りだし金メッキ端子
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