ヤマハ プリメインアンプ ブラック A-S301(B)

バスぷぷ 3
Good

200404kobe 2
★このレビューは、長くファンをやってきた一個人の勝手な感想、こうだったらいいのに、という言を多く含んでいる自覚はありますのでほんの参考に留めていただければと思います。当時会場で、生の坂井泉水さんを見ました。わずか3年後、あの空気感は一生忘れられないし忘れてはいけないものになりました。コンサートツアーの翌年に発売されたDVDを、それこそ擦りきれるほど見た私にとって、今回のBlu-ray発売はかねてからの悲願でした。2005年に満を持して発売されたツアーDVDですが、当時は未だBlu-ray普及前夜、どんな大物アーティストでも絶対的なリリースはなく、再生機もおいそれと買える時代ではありませんでした。しかし、DVDは4:3収録であるものの16:9をレターボックス化したものであり、近い将来のHD化を期待させるものでした。映像の内容についても、一部に製作者の一方的な意図が介するシーン(『あなたを感じていたい』のパートのみ全編にわたってエフェクトが挿入される)はあるものの、ラストに追加公演の全てのシーンが短いカットで挿入されるなど、ツアーに参加した幸運なファンにとって、何にも代えがたい歓びとなる演出もあり、本編中最小限にとどめたメイキング挿入と相俟って、ZARD初の全国ツアーを見事にDVD二層の収録容量の限界まで表現したものでした。何よりも感動したのは、我が家のSONY製フラットブラウン管のアナログテレビで、いつでも十二分に坂井さんの声や姿が持つ透明感が表現される、最高のデジタル画質という点でした。これには価格以上の価値がありました。時がうつろい、液晶の大型テレビが普及し、自動車のなかでさえBlu-rayが再生できる時代になりました。DVDのデジタル画質も、フルHDのパネルに対し、元々の解像度の低さは当然隠せなくなっていました。それでも、いつの日か来るだろうHD化を待ちわびていたのです。前置きが長くなってしまいました。今回のBlu-ray発売にあたり、もう一度あの日のZARD坂井泉水さんに出会えることを期待していましたが、残念ながらそれは叶わぬ願いとなりました。ディスクをいれた瞬間、ライブ映像がオートスタートします。ジャケットがあえてDVDと同じサイズのケースやデザインになっていたのでそれを踏襲しているのかと思いましたが、DVD版にあったコンサート前の余韻を感じる『間』の部分はなくなっていました。そして、何よりその瞬間出てきた映像に愕然としました。オープニング映像は画質が安定せず、DVD用に圧縮したMPEG2をそのままMP4にして無理矢理引き伸ばしたといった感じで荒れが目立ちます。これは会場のモニター用をベースにしているので仕方ない、と諦めコンサートの本編に期待しましたが、結果的にそれも裏切られてしまいました。長年のときを経て私がハイビジョン映像に慣れすぎてしまったせいもあるのでしょうか…映像は全体に眠く、シャギーがひどいです。ただ、きちんとDVD盤と同じシーンを同じ再生環境で見比べたところ、アップスケーリング時の設定がまずいのか何らかのフィルターがかかっているのか、拙宅の再生環境ではちらつきが強く視聴に違和感が残りました。また、同じく無理なアップスケーリングに伴い、照明の強くあたる白飛びの部分がノイズでつぶれ、ななめ上もしくはななめ横からのタタキまたはアオリの画角のカメラはそもそも収録時の画質が悪いのか？引いてしまうと泉水さんのお顔が本編中もよくわからないときがあります。やはりこれも再生環境もしくは設定が悪いのかと思いましたが、今回極太明朝体に直されたBlu-ray版の字幕はシャープでなめらかに再生されていますので、再生機の問題ではないようでした。繰り返しDVD版と見比べてみましたが、Blu-ray版は明らかに映像に滑らかさが全くなく、観ていると眼がとても疲れます。いずれにしても、ハイビジョンのマスターがあるわけではなく、解像度を引き伸ばしただけの単なる『HD化』にすぎないことがよくわかりました。以上の点により、DVDそのものを再生機器でアップスケーリングしたものに敵う商品ではないように思います。既にDVDをお持ちの方が買い直す必要があるとすれば、『あなたを感じていたい』のエフェクトは外れていましたのでこの点、DVD版の突然の演出を疑問に思った方には大いに評価できるポイントになると思います。ただ、映像を停止した際のトップメニュー画面などは、DVD盤に比較すると静止画に文字リンクがあるだけの大変簡素(というより雑)なものでした。もちろん、本編には関係のない部分ですが、坂井さんは常にすべての音、演出、グッズ、さまざまなことにご自分で取り組まれた方であったと聞きますから、それを無視したレコード会社の姿勢が見えるようで気にかかります。もちろん、2004年当時の撮影機材の限界などもあるのかと思いますし、HD化する、ということはマスターテープは16:9であってもハイビジョン収録ではなかったのかもしれません。ただ、すべての追悼コンサートに参加し、アシェットの分冊百科も完走した地方のいちファンの目には、かねてから、お亡くなりになったあとのBgramレコードの坂井さんに対しての向き合い方に、疑問を感じてしまうところが多々あります。ZARD唯一のツアーコンサート、そしてデビュー30周年…。画質だけは、もう少しなんとかならなかったのか、そんな思いでいっぱいです。定期的にこのようにリリースがあること自体には、感謝をしなければなりません。また、それによって新しくZARDの曲を聴く人たちもいるのでしょうから、贅沢が過ぎるのかもしれません。ただ、完全版とか決定版という宣伝文句にはやや違和感をおぼえてしまったのです…。もしも、万が一、ハイビジョンのマスター映像が存在するのなら、どうか、今度こそそれを製品化していただけないものでしょうか…。もしくは二枚組になって構いませんから、極力画質を落とさない方法での映像ソフトの発売を期待します…。心からよろしくお願いいたします。

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2枚あったのでシェアできてよかったです。